プロセス指向心理学の創始者であり中心的存在
マサチューセッツ工科大学で言語学と工学を、大学院で物理学を学んだ彼は、
その後スイスに移り住み、チューリッヒのユング研究所で分析家としての資格を得ました。
現在はアメリカ・ポートランドのプロセスワーク・センター所長。
プロセス指向心理学の創始者であるミンデルは、子供の頃から夢に関心をもち、自分で見た夢を書き留めていました。
そして身体におこる様々な現象は、夢と関係があるのだろうかという、疑問を抱きます。
そのために理論物理学や、心理学を学ぶものの、
夢と身体の関係性はあまりはっきり解りませんでした。彼は、身体をただ癒すだけではなく、
夢が何かを語ってくれているように、身体は何を語ろうとしているのか、身体はなぜ病気になるのか、それを知りたかったのです。
彼には、身体は魂とはまったく別々のもので、
病気は何か外部的な原因からのみ引き起こされるのだとは、到底思えなかったからです。
ミンデルは、人々が身体の症状が出てきた時にどうするのか、観察し、正確に記録しようとしました。
すると、人々は、身体の痛みを和らげたいと望んでいるのに、まるでもっと強く痛みを感じようとするかのような
傾向があることに気づきます。
どうやら「痛みを感じようとすること」で、症状からメッセージが出てくることに気づきました。
ミンデルは、夢や身体の症状を作り出しているのは、ひとつの同じものであると考え、
そのことを「ドリーム・ボディ」と名付けました。
私たちの身体の中に流れている命、
意識しようとするまいと、私たちの身体の中にあって、生きようとしている命の流れ。
それはシグナルとして身体の症状を通して現れるのです。
だから、その意味が解った時に、その症状もなくなるのです。
ですから私もセッションをするときは、どのような身体症状であっても、
メッセージであり、コミュニケーションの一形態だと理解するようにしています。
具体的にはインナーチャイルドとして身体の痛みや症状を扱います。
結果、症状と呼ばれていたものが、良好に快癒していくのを見てきました。
私たちの精神や肉体は、固定的なものではなく、常に動き、変化し、流れ続ける、
命のプロセスであることが信じられます。
ひとつの状態を変えようとするのではなく、流れていくプロセスに気づき、その流れに寄り添い、
その流れが行きたい方向に行くことをガイドするのがプロセスワークです。
それは、「自分がよいと思う方向へ向けようとする」とか、
「こうあるべきだという方向へもっていこうとする」こととは、まるで違います。
誰もが「自然のなかの命」そのものであることを忘れてはならないのです。